英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。
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ゆっくりと、明るくなりつつある空を見る。
とはいってもここは自然溢れる皇国ではなく、高い建物の並ぶ帝国。
スモッグで霞み、直接は見ることの出来ない太陽。
冬へ進みつつある北国は寒い。
皇国の気候になれてしまったからなのか、それとも今日これから起こることへの恐怖か。
あいつと戦うのだと思うたびに襲ってくる震えを、なんとか抑えつけた。
―― 本当に、こんなことであいつと戦えるのだろうか。
あの男は、自分の多くを知っている。
攻撃を当てられる自信も無ければ、避けることすらできないだろう。
けれど、けれどそれでも戦わなければならない。
あいつを追い払わなければあそこどころかこの国に居場所は無い。
どこに隠れたところで、必ず見つかり、そして殺られるだろう。
3年も経てば、この世界での情報の集め方など会得しているだろうから。
帰りたい。帰らなくてはいけない。
向こうの世界に戻れば、恐らくきっと近いうちに全員と共に在れる日は無くなるだろう。
祖国奪還の作戦が進み、成功してもしなくても。
成功すれば、少なくとも姫さんとおちびは王宮へと戻り
失敗すれば、全員の命が消えてもなんら不思議ではない。
そして何より、どちらにせよ戻って数年でケルトは死ぬ。
これはあいつの定めだ。
本人は知らなくとも、赤の血の宿命。
だから、だから巻き戻りを繰り返すこの世界にいる間しか彼らと共には在れない。
自分にだって、向こうに戻れば命を賭して護りたい人がいる。
その人と共に世界を旅するならば、どうしても彼らと共にいることは出来ない。
旅をしているうちに、会えなくなるのだろう。
「――答えを……叫び続けろ、か。」
ふと、思い出したのは炎の神鳥がこの世界を去った日の事。
テンコのその魂を、身の内に匿うと決めたあの日。
あの神が行った言葉。
「叫び続ければ、力になる……」
今回は、いかなる神の力も借りないと決めていた。
借りてしまえばその時点でミナトの言うように、
自分は人間で無いと認めてしまうことになりそうで怖かった。
「帰りたい、帰るんだよ。絶対、あそこに」
何が何でも、絶対に。
――生きて、みんなの隣に立っていたい。
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ティス
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女性
誕生日:
1994/05/10
