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英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。

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【視点:ケルト】

数日眠らず、そして倒れたヤンディ。
――もしも、ここで聞き出していたのなら未来は違っていただろうか?

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「ボス、変人起きたわ」
「どんな様子だ?」
「すごく、ぼーっとしてる。 珍しいわよー、あたしを追い出そうとしないんだもの」
「……そうか」

すっと立ち上がって、ヤンディの部屋を目指す。
もう少し時間を置いてやるべきかもしれないが、妙な胸騒ぎが昨日から続いていた。
早く聞き出さなければ手遅れになる予感しかしなかった。

「ヤンディ」
「……今度は君か」
「そう言うなって」

部屋に入って枕元に腰掛ける。
ヤンディはいつもに増して蒼白な……死人のそれに近い顔色だった。

「気分はどうだ」
「……寝てないときよりはマシ」
「だろうな、真っ青だぞお前」
「出てってよ……」

気だるそうに掛け布団を頭まで引っ張り、こちらに背を向ける。
……本気で出ていって欲しい時の行動であることはわかっていた。
けれど、こちらとしても聞き出したい事がいくつかあるために引き下がれない。

「……ヤンディ」
「出てけ」
「お前さ」
「出てけってば」
「何を隠してる?」
「……」
「やっぱり何か隠してやがるな」

無言。昔からそうだ。
想定していない都合の悪い質問を投げ掛けてやると黙り込む。

即座に回答が戻ってこないあたり、
都合が悪い上に自分に問われると想定していなかったのだろう。
……それはつまり、隠し通せると思っていた事が最低でも1つあるということ。

「白状しな」
「……何もない」
「嘘だな」
「嘘じゃない」
「正直に言えよ」
「何も隠してなんかない!!」

がばっと起き上がって、こちらを突き飛ばそうとしてきた。
だが、その力はあまりにも弱い。

「……っ」
「……ヤンディ」

ふらりとヤンディの姿勢が大きく崩れたのを支えてやる。
そして、表情を変えること無く内心で驚いた。

――異様に、軽い。
元から細い奴だったがそれでも。
こんな身体で戦場に立っていたのか。
こんな身体で、あの強烈な攻撃を繰り出せていたのかと。

「お前、ちゃんと食ってるか?」
「……人並みには。もう出てってくれよ」
「まだ聞きたいことがある」
「……おいらは何も言わない」
「部隊長、代わろうか」
「押し付けたのは、君だろ」
「今のお前を戦場に、外に出したくない。 明らかに体調悪いだろ。休め」

また、無言。 本人もわかっているのだろう。
自分の体調がわからないほど、ヤンディもバカではないはずだ。

「……休んでも、治らない」
「……なら、尚更だな」
「でも、戦場から離れる気もない」
「何でだよ、休め。頭領として命令するぞ」
「おいらの大ボスは親父さんだ、君じゃない。
 なら、おいらは部隊長として命令するよ。今すぐ部屋から出ていってくれ」

ゆっくりと、また布団を被るヤンディ。
こうなると、何が何でも口を割らなくなるのは知っている。

「……わかったよ、いつかちゃんと話してくれ。 絶対に、手遅れになる前にな」

部屋を出るまでに返事はなかった。 けど、それでも。

「……気に掛けてるぞって、伝えただけで何か変われば良いんだけどな」

そっと、腰に提げた笛に触れる。
これで、少しでも未来が好転することを願って。
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