英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。
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―― 一体どうしたものか。
ムードメーカーのスカッシュちゃんの機嫌が出会ってから今までに無いほど悪い。
そして部隊長であるヤンディもまた……
「ケイル、これってどこに置けば?」
「台所に置いときゃいい」
「わかった」
台所に荷物を抱えて消えていく後ろ姿に溜め息をつく。
身体は間違いなくヤンディだ。魔法による作り物ではない。
誰かに真名を知られ、乗っ取られたのではないかと疑ったくらいなのだが。
今、あいつの中にいるのはディフとか言う古の魔法使いだ。
Dと呼べなどと言ってはいたが、どうにも信用できない。
「ボスー、今日の夕飯何がいい?」
「そうだな、肉がいい」
「もう、いっつもそればっかり! ハンバーグにするわ」
「おう、頼んだぜ」
「そうだケイル、次の遠征の事なんだけど……あ、やぁシエナ」
「あたしはスカッシュよ!!」
台所から出てきたDを見るなり機嫌を悪化させるスカッシュちゃん。
DもDでいい加減真名の愛称での呼び方を辞めてくれさえすれば、
少しは雰囲気も良くなるだろうにと思う。
……いや、変わらなかったか。
結局、かなり不自然な事になったというのを思い出す。
Dを押し退け、台所に入っていく様子に思わず溜め息をついてしまう。
「……ボク、なんであんなに嫌われてるのかが分からないんだけど」
「……俺も分からないから聞かないでくれ」
「うーん、最低でも巻き戻りが終わるまではこのままなんだけどな」
「頼むから馴染む努力をだな」
「してるよ? してるんだけどさぁ……辛いって、価値観違いすぎるんだもの。
ボクらの時代とは名前の扱いもずいぶん違うし生活だって……」
「わかったわかった」
何がダメなんだ?と呟きながら談話室を後にするDに、頭痛を覚える。
瀕死のヤンディを助けてくれたらしい事は感謝するものの。
「――誰かこの空気を何とかしてくれ」
あまりに居心地が悪い。
これがしばらく続くと思うと、気が滅入ってしまう。
本当にここは女神の誓なのだろうかと考えてしまうほどに重い空気。
「はぁ……」
一体どうしたら良いのだろうか。
あまりにぎすぎすとしていて、ここにいない存在を想う。
「早く帰ってこい」
冥界から、早く逃げ出してきてくれ。
俺だけじゃいつまで維持できるかわかりゃしない。
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女性
誕生日:
1994/05/10