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英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。

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【視点:ヤンディ】

大きな地下の遺跡。
少し忘れていた探究心を刺激され、どうにも我慢が利かない。

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+ + + + + + + + + +

拠点の屋根に寝転がって、霞んだ星空を見上げる。
帝都から少し離れているからこそなんとか見える景色。


「……」


見ていると、無性に動きたくなってくる。
ここを去るつもりはないが、あの日灯された火は今日まで消えはしなかった。
むしろ日に日に勢いを増して大きく燃え上がり、
今すぐにでも行動に移したい衝動に駆られる。


「だめだめ……大隊長クラスならともかく……」


ここまで上り詰めてしまうと、軽々しく仕事を放棄することもできない。
いくら帝国が安定しているからといって、長い期間休止状態にすることは避けるべきだろう。

あと5ヶ月もすれば、英雄戦だ。
それにむけ、戦果を上げようとしている人達も沢山いる。
それはつまり、他国からの攻撃が強まってくる事に他ならない。


「はぁ……」


旅がしたい。未知の場所を歩いてみたい。
そして、あの緊張と楽しさを味わいたい。
けれど、ここを離れたくないという矛盾。

遠征が減ってくる、英雄戦後。
狙うならそこしかないだろうか。
皆には休息をしっかり取ってもらって、自分はその間に小さな探索に出る……
英雄戦が終わってからも、2ヶ月は余裕がある。
数度に渡って国内を回れば楽しめるだろう。


「……じゃ、それまでは戦いますか」


久々に引っ張り出してきたカウボーイハットを顔にのせる。
あの子と時間を過ごした証が沢山ついたこの帽子を身に付けることは減ってしまったけれど。
また君の隣を歩けるように、約束通り君を迎えに行けるように。


「……こんなに、あの御守りが欲しいと思ったのは初めてだ」


君が、一緒に行くならもう要らないねと泉に投げ捨ててしまったあの御守り。
広い世界で、お互いに旅をしていた2人が
旅先で"再会"できるようにと願われたそれが、今一番欲しい。
あれがあったから、何度も再会して助けて助けられた。


「――いっそ」


黄金の聖域に挑んでしまおうか。
……いや、やめておこう。
知らない世界に飛ばされてしまったら、それこそ脱出できない。




―― ボクは風、しっかり捕まえてないとどこか行っちゃうんだから、早く迎えに来てね。
―― 大丈夫さ、風がここに飽きる前には迎えに来るから。
   ……でも、いざとなったら、逃げておくれ。
―― なんで? ヤン君とケルトくん、スカッシュちゃんまでいるんだもん。平気だよ。
―― そうだねぇ……じゃ、来月までには戻るから。
―― うん、またね。無茶、しちゃだめだよ。また、旅するんだから絶対だよ!




「……」



旅をしたいと思うほど。

未踏の地に思いを馳せるほど。

まだ見ぬ真実を思い浮かべるほど。

隣にいた君を思い出す。



生きてまたあえたなら。

皇国が確かに復活したなら。

ケルトに新たな支えができたなら。

渡そうと思っていた婚約指輪は、もう何年もしまわれたままで。



誰もいないのを良いことに。

帽子で顔が隠れているのを良いことに。



「……君に、あいたい」



雫がひとつ、こぼれた。
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