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英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。

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【視点:スカッシュ】

思い至ってしまった仮説。
ただの仮説だけど、外れていて欲しい。

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+ + + + + + + + + +


金の王宮と青の聖霊宮、そして赤の聖少宮。
今では金を除いて朽果ててしまった皇国の象徴。


金は瞳。女神に政を授けられた証。
青は魔力を測る髪。その身に聖霊を宿す力。
赤は若さ。時を重ねても決して衰えぬ力。


皇国の名を受け継ぐ、ブライン。
深い青と慈悲の一族、キュアノエイデス。
鮮やかな赤と少年少女の一族、エリュトロン。



「……残ってるの、金だけだと思ってたのに」



皇国にて、皇族に次いで発言力を持っていた2つの一族はあの場で皆ころされたとばかり。
一体何があったのか、故郷から遥かに遠い地であの人は自分の血を知った。


残るは、“赤”だけ。
名前も家も捨て、行方不明となった女性が1人いるという。
けれど、それはもう30年以上も昔の話。
家を出たとき既に20を超えていたというのだから、もう彼女は生きていないだろう。
ころんとベッドに身を投げる。



「……まさか、ね。」



思い浮かんだのは、燃えるような赤髪の命の恩人。
否定したい気持ちも強いが、けれどあまりに当て嵌まり過ぎている。
否定したくて、あの一族の特徴を挙げれば挙げるほど確信に変わってしまう。


“赤の一族”の特徴は、鮮やかな赤い髪を持つこと。
精神干渉系の魔法の中でも難度が高いとされる疎通魔法を使いこなせること。


――それだけなら、魔法使いを探せば珍しくも無い。
それこそ赤髪の魔法使いなんてたくさんいるのだから。
けれど、あの一族しか持たない特異的な特徴が。



「――異様なまでの、若さ」



どれだけの時間を生きても、あの一族は一定年齢で成長を“やめる”。
老いることも無く、ただ鍛えれば鍛えるだけ強くなれる。
一番成長を遂げる時期のまま、その一生を過ごす。
20歳だろうが30歳だろうが、外見は15から18の少年少女だ。


けれど、もう1つ。
自分が、あの人に“赤”の血が流れていてほしくないと思う理由。



「魔法使いにとっては残酷なほどの……短命」



魔法使いの平均寿命は、身に宿す魔力の量にもよるが大体120年。150年生きた人もいる。
対して“赤”は30年。どれだけ長く生きても35年。


たった、4分の1年しか生きてくれない。
老いることを知らないから、生きている限り成長し続けるから。
――ある日突然、鼓動を刻むのをやめてしまう。
予兆はあるらしいが、それを誰かに伝える人はかなり稀だ。


考えたくは無いけれど、もしも彼が“赤”の血を引くなら。
もし、時間の巻き戻りの無いあの世界に戻ったならば。
もし、今回巻き戻りが起こらなければ。



「……ないない、こんな身近に青だけじゃなく赤までいて堪るもんですか」



口では否定しても、寂しがりな自分が御面の下で泣いている気がする。
冷徹な部分の自分が、間違いなくあの人は“赤”だと結論付けている。
いろんな自分がぐちゃぐちゃになって、みんながみんな勝手に同じことを叫びだす。




あのひとと あと なんねん いっしょに じかんを きざめますか ?
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