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英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。

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【視点:ケルト】

剣の腕は多少の自信がある。
けれどずっと、その剣を振るっていた彼女に技術で負けた。
――なら、ほかにできることは?

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+ + + + + + + + + +

遠征から帰ってきて、ぱたりと自室のベッドに倒れ込む。
スカッシュちゃんが、初めて剣を持って戦場にたったのだ。
姫も、俺もかなり心配していた……のだが。

「俺より強いじゃねぇかチクショー」

確かに、体力面は俺の方が上だろう。けれど明らかにスカッシュちゃんの方が動ける。
足と威力がものを言う遠征では、スカッシュちゃんの方が上だ。

「……俺、あと何があるかねぇ」

明らかに、一番の足手まといは俺だ。
どんなに威力が高かろうと、届かなければ意味がない。
……が、遠征中に足に回せるだけの魔力もない。
他のメンバーのように素早く動くのは困難だ。

寝返りを打って、立て掛けた剣と脱いだばかりの鎧をボンヤリと眺める。

「……あ」

ふと、遠征中の光景を思い出す。
前衛が止めきれなかった故に後衛が倒されてしまう、そんな状況を。

勢いよく立ち上がると鎧を着直し、剣を構える。
いつもは、剣に魔力を喰らわせ威力を高めている。
けれど、それを止めて鎧に魔力を注いでみる。
これは、"魔鎧"だ。"魔剣"と同じく、魔力をくれてやればやるだけ強度を増す。

「うお、重いな……」

魔力を遮断した剣が急に重くなる。
腕に回していた強化魔法を解いたからでもあるのだがそれでも。

「……こんだけ重けりゃ、威力はともかく後退させるくらいは出来そうか。」

問題は防御だ。
いくら鎧が固いと言っても、世の中には鎧をものともしないやつもいる。
なら、あと出来ることは。

「魔法壁でも張れば良いかねぇ。それも、頑丈な奴……」

だが、明らかにそれを構成するには魔力が足りない。
最悪、肝心なときに魔力切れを起こす。

「……いや一撃。一撃耐えられりゃいい。
 各国のトップアタッカー以外の攻撃に耐えきれりゃ、道はある」

その為には、鍛練と実戦が必要だ。
まずは魔力の底上げと、敵の威力の研究。
迷惑をかけるが、身を持って試してみない事には何ともならない。
……問題は、一度倒されたら魔力の使いすぎで戦線復帰できなそうであることか。

「……割り切るしかねぇな。攻撃は捨てて、防御に全力を注ぐ」

そして、守りきって見せよう。家族を、仲間を、友人を。


こうなりゃ、倒れるのは俺だけでいい。

それも、そう簡単には倒れてやらないが。
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