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英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。

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【視点:クムン】

聖書に記された、灰の神と罪人。

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「灰の神と、Dか」

ヤンディから聞いた話は、あまり信じられぬ事であった。
大罪人にして原罪者Dと、人に2つの道を示す選択の灰たる神が同一であるなどと。
どちらも聖書では深く語られていない。
しかし、どちらもお伽噺としては有名である。


昔、この世に初めて人の子と悪魔の間に子どもが生まれ落ちた。
人々は"悪魔の子"を恐れ、人里から離れた深い森の中に親子を追いやった。
やがて、悪魔の子は母と世話人を殺めて何処かに姿を消したという。

それから、まもなく。
悪魔の子が死神の加護を受け、女神達に刃を向けた。
女神達はそれを退けたが、大陸を繋いでいた光を悪魔の子に隠されてしまった。
故に、山や川の向こうに立ち入ってはならない。
この地こそ、最後の光が差す場所。その先は、悪魔の子と死神がもたらした暗黒の地。

数多くの罪を重ねた大罪人は、人の罪の全てを背負う。
彼が犯した原罪は、彼が好んだという赤い果実にも宿る。
大罪人にして原罪者、その悪魔の子の名こそ、D。



一方、灰の神は迷い悩む人の子に道を示す選択の神。
とある双子が強さを求めた時に神は双子に光の道と闇の道を示したという。
闇を選んだ兄には誰にも負けぬ強大な魔法が、
光を選んだ弟には誰にも負けぬ膨大な知識が与えられた。
だが、2人は後になって後悔したという。

兄は闇に溺れ、弟は光に飲まれた。
それを見て灰の神は言ったという。
闇の中にも希望があるように、光の中にも絶望がある。
君達は、力を活かすべき場所を間違えてしまった、と。
けれども灰の神が示した道で、希望を掴みとった人の子の話も伝わっている。



「……あやつらは、灰の神が出した問いに最適解を出せるのであろうか」

灰の神が提示するのは、大まかな2つの道のみ。
その先がいくつ枝分かれしていようとも、
絶望への一本道であろうとも、そこまでは教えてくれない。

「……何せ、実に資料の無い神であるからな」


光とされる道を歩き始めたという彼等に、どうか祝福あれ。
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