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英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。

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【視点:ヤンディ】

白竜も黒竜も彼に触れられない。
属性竜って面倒ねぇ。

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「……紫苑?」
「なに?」
「いや、こっちの台詞だよそれ。マスターもマスターでなに和んでるの?」
「……茶と菓子をくれって抱き付かれた」

本当のことである。
あまりに平和でやることもなく椅子で微睡んでいたら
『D、お茶、お菓子、お茶会』と突進されたのだ。
紫苑と名乗られるまで、この女性は一体何者かと疑ったものだが。

「ヤンディ、D、似てた」
「……何でこう、世界を産み出した神々は自由すぎるのが多いんだろう」
「神、違う。紫苑、竜」
「知ってるよそんなこと!!」

そう、彼女は竜。
自分達の世界を産み出した神々を創られた七色竜神。
白黒赤黄青緑紫。彼女は紫の運命竜、紫苑。
とても美しい紫の長髪に、澄んだ青紫の瞳。
あまり感情を表さない表情も、纏う神秘的な雰囲気を強調していて。

「……はぁ。で、紫苑。用件は? まさか用もないのにわざわざ空間越えてきたの?」
「……だめ?」
「ダメじゃないけど、柱の1匹が簡単に自分の世界留守にしないで!?」
「用ある。D違う。ヤンディ、用ある。……忘れてた、けど」

用があるなら忘れるな!とDが頭を抱えているが見なかったことにする。
どこにでもこういう性格はいるのだなぁとしみじみと思う。

「え、おいらに?」
「ヤンディ属す、白、竜だった」
「うん」
「でもヤンディ、光消えた。黒、白、ヤンディ触れない」
「……D、通訳しておくれ」
「マスターから光が無くなったんで白竜が君を守護出来なくなった。
 かといって黒竜も君に干渉できない。……だって」
「え!?」

――冗談じゃない。
竜の加護が無いと言うことは、身体に無事戻れても今度は存在そのものが危うくなる。
今はDが支えてくれているからこそ、魂だけで存在できているのに。

「だから紫苑、ヤンディ護る。紫苑、光闇、関係ない。
 ヤンディ、探検好き?」
「好き、だけど」

訳もわからぬまま答えてやれば、初めてにっこりと笑った。

「なら護る。探検、お菓子、お茶、好き悪くない」

一体彼女は何を言っているのかとDに視線を向ければ、
これ以上無いほどに驚いた表情を浮かべていた。

「紫苑!?」
「紫苑、D友達。ヤンディ消える、D消える。D消える、紫苑、嫌。
 ヤンディ、探検好き。紫苑、探検、人間、好き。……D、紫苑、友達違う?」
「違わないけど、それ君の負担が……!」
「平気。紫苑、いつも寝てる。ちょっぴり起きる。……D、ヤンディわからない?」

はっとしてこちらを見るD。
相当困惑しているように見えたのだろうか、ごめんごめんと言った後に続ける。

「白竜と黒竜の守護は望めない。代わりに紫苑……紫の運命竜が君を抱えてくれるって。
 彼女は属性竜では無いからマスターが光だろうと闇だろうと関係無い。
 安心して大丈夫だよ……ってそういえば属竜はともかく、どの神を仲介者に?」
「D!」

訳の分からぬまま話を聞いていると、ビシッと効果音が付きそうな勢いで紫苑がDを指差す。
それを叩き落としてDが反論しだした。

「ボク聖霊だ!?」
「D!!」
「そんな無茶な……」
「D、希望、神!!!」
「あのね、いくら神格持ってるからってボクは神じゃなくて聖霊!!
 この状態でさえ維持するの大変なのに!」
「D、神! ティーアン嫌。レアル忙し。デイシア……デイシア……?
 ――むぅ。神界、神、冥界臭い、嫌。……D!!」
「分かってるし知ってるけど、探せばいるだろボクの代わり!?」
「無い! 竜命令!!」
「ぐ……それは無しって約束した……」
「命令!!」
「……はい」

良くはわからないが解決したらしい。……一方的に。
表情こそ薄いが、ご機嫌に見える紫苑がお菓子を押し付けてくる。
ぐったりとしたDを視界に入れつつ受け取った。

「友達っていうけど、どういう関係?」
「紫苑、D、友達。紫苑、夢、皆聞く。紫苑、話、Dだけ聞く。紫苑、D好き」
「ええと、つまり。予知夢の話は皆聞いてくれるけど、君の話はDしか聞いてくれないの?」
「そう。竜聞く。神、精霊、妖精、人間、聞かない。Dだけ」
「……おいらも聞こうか?」

そう言えば、目を輝かせて身を乗り出してくる紫苑。
視界の端にDが言っちゃった……と額を押さえているのが映ったが、
すぐに視界が紫苑で埋まる。

「うれしい!! 紫苑、ヤンディ好き!!!」
「頑張って紫苑語理解できるようにならないときついぞ、3時間話し続けるおしゃべりだから」
「え」

その後は、所々Dの翻訳を挟みつつお茶会の続きが行われた。
……それから自分の言葉を後悔したのは30分後のことであったが、それはまた別のお話。
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