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英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。

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【視点:ヤンディ】

幾度も英雄といわれた彼でさえ欠点はある。
たとえば、そう。この酷い方向音痴。

※化身さん(18an)のスルギさんをお借りしております。

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雪のちらつく中、帝都の裏道を選んで歩いていた。
大通りの喧騒は、どうにも最近居心地が悪い。
こんな道を歩くのは荒くれか浮浪者か野良猫くらいかな、などと思っていれば
視界の端に見慣れた装束の男を捉え、一瞬驚いた。
……驚いた、のだが。ある意味ではここにいてもおかしくない人間だ、彼は。

「やぁスルギ、奇遇だねぇ。酒場でも探してる?」
「ん……あー、ヤンディか。裏通りで有名だって言う狼のなんたらって所知ってるか?」
「狼の酔い処かい?」

確かそんな名前だったと返されれば、相変わらずの事だなと思ってしまう。
ゲームでトラブルを起こして以来行っていない店だが、あそこは確か。

「スラム街の方だよ、そっちの道行くと貴族街に行っちゃうぞ」
「そうか、それならどっちに行けばいい?」
「こっちの道をまっすぐ行って……って、口で説明しても絶対迷うだろ君」
「確かにたどり着けないだろーな」

いつもの事だとばかりに笑うスルギにため息をつく。
どうせ、こっちも暇なのだ。案内くらいはしてやろう。
そうと決めれば、くるりと進行方向を今歩いてきたほうに向け、
数歩歩いたところで上半身だけゆるく振り返る。

「案内するから、そこで一杯どうだい」
「それはありがたいな、頼む」

さすがに案内がいても迷う奴ではないだろうが、一応視界に入れつつ歩き出す。

「狼に行くのは初めてかい?」
「多分初めてだとは思うんだが、よくわからん」
「まぁ、あそこは周りにちょっかい出さなきゃいいとこだよ。
 あそこの酒はビールもワインも、つまみもいけるからねぇ。ただ、客の柄が悪いけど」
「随分詳しいな?」
「常連が身内にいるもんでね」

しばらく歩いてから、自分が入り組んだ道を選んでいることに気がつく。
もっとわかりやすい道を選べばよかったかと今更ながらに思ったが……

「ねぇ、もし大通りの道を教えてたら次から1人で行けるかい?」
「無理じゃねーか?」
「……だよねぇ」

どっちにしろ、問題は無かったらしい。
気付かれないように小さくため息をつき、呟く。

「――帝国一って言っても間違いない奴なんだけどなぁ」
「なんか言ったか?」
「君は凄いなって」
「褒めても何も出ないぞ!」
「ああ、うん。別にいらない」

他愛のない話をしながら、進んでいく。
自分は防衛に呼ばれることが多いだけに、前で戦うことの多い彼の話は新鮮だ。

「……今回は、どうなると見る?」
「さーな、なるようになるだろ?」

最悪のシナリオさえ回避できればそれでいい。
まだまだ始まったばかり。
これからひっくり返すチャンスはあるのだから。
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