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英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。

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【視点:クムン】

いつもの店。
たまに見る顔に思わず笑みがこぼれた

※トライアド黒組織さん(1yt4)の月さんをお借りしております。

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もうそろそろ茶葉が尽きる頃だったかと、食料の買い出しついでに専門店に立ち寄っていた。
一通り必要な種類を買い揃え、せっかくだからと店のテーブルで紅茶を飲もうと見渡すも満席。
時間的にも小休憩時、仕方ないと踵を返せば後ろから声が掛かった。

「あの……よろしければどうぞ?」

青い服を纏った少女がまだ中身の入ったカップを持って立ち上がる。
幼いながらも立ち振舞いがしっかりしている様はどこか見覚えがあって。

「あぁ、月ではないか。久しいな。
 まだお主も飲み終わっておらぬ様子、そちらが良ければ一緒してもよいか?」

以前もこうして数度一緒させて貰った事があったなと思い出す。
何度も繰り返すこの世界、成長していたり幼くなっていたりという事は良くあるのだ。
彼女もまたその内の1人であろうと自己完結をする。

「ええと……私の事をご存知なのですか?」
「む……」

しまった、と内心だけで焦る。
以前記憶を保持していたとはいえ、今回もそうとは限らないことをすっかり失念していた。

「今は休養中なのだが、我も傭兵でな。
 以前、共に戦場に出たこともある。お主の舞は力強く美しいものよ」
「その……ありがとうございます?」

とりあえず座って落ち着こうと提案すれば、向かいの椅子に腰掛ける月。
どこか落ち着かない様子の彼女を見、何を話したものかと少し悩む。

「……あぁ、自己紹介が遅れたな。我は女神の誓のクムンと言う。
 我らが部隊長を雇用してくれておるだろう、少しは役に立っておるとよいが」
「女神の誓……あ、ヤンディさまと同じ部隊の方なのですね。
 こちらこそ、お世話になっています」

ペコリと効果音が付きそうな可愛らしい礼に、小さな笑みが浮かんだ。
近くにあったメニューを開いて差し出し、
どれが良いかと聞けば困惑の表情を浮かべてしまった。

「好きなものを頼むといい、席を空けてくれた礼だと思ってくれ」
「でも……」
「ふふ、遠慮は無しだぞ」
「……ありがとうございます。それではショートケーキを」
「承知」

甘味を食べ、他愛のない話をしていれば、やがて月に迎えが来た。
すっかり話し込んでしまったことに少し申し訳なく思いつつ、自分も帰路につく。

――多くを失った彼女に、どうか祝福あれ。
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