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英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。

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【視点:ヤンディ】

これだけでしばらくやっていけるんだから止められないよねぇ。
なんだかんだで、一時期これで食べてたわけだし負けないさ。

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+ + + + + + + + + +


霞んだ満月の夜、帝都の外れの裏通り。
決して治安が良いとは言えないその場所をヤンディは歩いていた。
普段、遠征や防衛に参加するときに纏う赤い外套は無く、
藍白の髪から足までを全て隠すようにフードのついた黒い外套を纏っている。
早足で通り過ぎる彼を、通りの浮浪者が胡散臭そうに見送った。

「よう、兄ちゃん。ちょっと待ちな」

目の前に図体の大きい男が立ち塞がる。
ヤンディは仕方なく足を止め、男を睨み付けた。
ローブの中から覗くのは鋭く青い瞳と、街灯に照らされた銀に見える髪のみ。
一瞬男は狼狽えるも、すぐに強い口調で迫る。

「通行料を払いな、1000Gだ」
「断る」
「じゃあ引き返すんだな」

ひとつため息をついて、男を無視して先に進もうとするヤンディを男は苛立った様子で掴んだ。
振り返る事もなく、ヤンディは先の暗闇に向けて投げ掛ける。

「バール、呼んだのはそっちだろ。こいつなんとかしろよ」
「こりゃすまねぇなあ、死神くん。おい、離せ」

闇の奥から帰ってきた声に、男は慌てて手を離し深く頭を下げた。
一方のヤンディは、暗闇から煙草を加えて現れた新たな男を見据える。

「せめて冥界の探検家って呼んでほしいねバール」
「だが貴様は死神だろうが」
「……死神よばわりされるんだったら盗賊のほうがマシだよ。で、呼び出した訳を聞こうか」
「舎弟がお前に世話になったんだってんで、ひとつ礼をな」

こっちに来いと、先を歩くバールの後をついていくヤンディ。
やがて辿り着いたのは、小さな酒場。
そこのテーブルにつけば、取り巻きどもが周囲を取り囲む。

「おいらはポーカーかブラックジャックしかやらないけど?」
「ならポーカーだ。――おい!」

取り巻きの1人が未開封のカードをバールに渡し、開封するなりバールがカードを切る。
そしてテーブルの中央に山を置くと、その横にいくらかのGを置く。

「最低2000、上限は10万」
「イカサマは見破ってやり返すまではそうと言えない。……で、いいよね?」
「ああ。けどフェアに行こうぜ兄弟」
「じゃあまずは3000」

ゲームは両者退かずに均衡のまま進む。
時間は刻々と過ぎ、間もなく夜明けと言う頃。

「ねぇ、予定が詰まってるから次のゲームで終わらせないかい」
「掛け金は?」
「有り金全部で2万。それと……」

ネックレスとブレスレット、ピアスをいくつかテーブルに置いてヤンディは宣言する。

「こいつらで3万」
「……良いだろう、こっちも5万だ」

固唾をのんで、取り巻き達は行方を見守る。
配られたカードを見て、それぞれが宣言をする。

「おいらは2枚入れ換えだ」
「俺は1枚だ」
「……そうだな」

一度カードを伏せてテーブルに置き、指輪をバールに渡すヤンディ。

「それ、いくらと見る?」
「……相変わらず良いもん持ってるな。4万ってとこか」
「じゃあそれ上乗せ」
「――乗った、こっちの役はフルハウスだ」

バールがテーブルに広げたのは、AとKのフルハウス。

「ごめんね、フォーカード」

ヤンディの手札は、4枚の2とAが1枚。
唖然とする取り巻きを余所に、掛け金を全て懐にしまうとバールに向き合う。

「あいつみたいにイカサマだって騒がないんだね?」
「イカサマなんだろうが、見抜けなかったもんは仕方がねぇ」
「っていうかしてないし」

足早に酒場を去って、表通りに出る直前に外套を脱ぎ去る。
そして、近くのゴミ箱に数枚のカードを投げ捨てた。

「さてと、これで何買おうかな」

毎度の事だ。
どの周期でも、最低一度はバールから金をむしり取っている。
最初にきちんと取り決めをしておけば、難癖つけてこない男だ。

「いいカモだってねぇ」

油断している方が悪い。
こっちは産まれてこのかた、闇社会の人間なのだ。
早々ヘマを踏むことは無いと、ヤンディは自負しているのであった。
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