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英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。

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【視点:スカッシュ】

おバカなスカッシュちゃんでも分かるわよ。
一体何が起きてるの?
いつだって、誰も教えてくれない。

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夜。部屋で本を読んでいたら、ノックの音が響く。

「誰?」
「ボクだよ」
「あらめっずらしー。ちょっと待って、今服着るから」
「……着てないの?」
「スカッシュちゃんの下着姿見たい?」
「――待ってるから早めにお願い」

あまりの素直さに、小さく噴き出す。
これが他の男共なら嘘だと見破ってすぐに入ってくるのに。

「冗談よ、入っていいわ」
「いや、それかなり分かりにくい冗談だって……」

そんな言葉と一緒に扉を開けて入ってきたのはD。
だが、こちらを見て顔を赤くするとすぐに扉を閉めてしまった。

「着てないじゃないか!!」
「失礼ね、着てるわよ!」
「――もっと着て、お願いだから」
「何言ってんのよ、ちゃんと着てるって言うのに……あ、まさか」

自分の姿を改めて見て、思わず笑ってしまった。
確かにこれは多少透けるタイプのネグリジェではあるが……
――ほんの少し、それも色だけが微かに見えているだけではないか。
よっぽどの純情君で無ければ、気にしないかむしろ楽しむ位のものだろうに。

「あはは……っ!!! あ、あんた純粋ねっ!!!」
「うるさいな、早く着てってば!!」
「はいはい、着たわよー。くく……っ」

近くにあったローブを羽織って、今度はこちらから扉を開ける。
そしてDを引っ張り込むと、向き直った。

「それで、どうしたのよ?」
「あー……うん。ちょっとマスターの事で……」
「変人の? ……何かあったの?」

そう問いかければ、
ひとつため息をついてその指に嵌めていた指輪をこちらに差し出してきた。
指輪が纏う魔力と、変人の腕輪が秘める魔力が同じものなのは気付いていた。
そしてそれが変人をこの世界に、現世に留めていることも。

「これを、君に持っていて欲しい」
「……それ、変人の命綱じゃない。あたしが持っていいものじゃないわ」
「ボクが持っているより、
 君が持って魔力を供給してくれた方がマスターは長くここにいられる」
「――どういうこと? いくらあたしでも人間よ、魔力が持たないわ」

そのアイテムが、異様に魔力を必要としていることはよく分かる。
いくら魔力を膨大に持っているといったって、あたしが支えられるのはきっと僅かに数週間。

「大丈夫、君が限界になる前には戻ってくるよ。
 それに普段ボクは保険もかねて莫大な魔力をこれに当てているけれど、
 君が持ってくれるならもっと少なくて済む」
「それこそ訳がわからないわ」
「君が、“シエナ”だから。炎の加護を持っている君だから、焼けるものがあるんだよ」
「……どこに行くつもり?」
「神界に行く。ちょっと、話をつけて来るんだよ。それだけ」


――うそ。


「これを神界に持って行ったら壊されかねないから、君に預けたいんだ」


――嘘。絶対に何か隠してる。


「君なら、マスターを守れるよね?」


――だけど、『スカッシュ』ならこう答えなければいけないだろう。


「もー、仕方ないわね!!」

ばっと指輪をDの手から奪って、どこにつけようか一瞬迷ってから薬指に嵌める。
そしてそれをじっとみて、にっこりと笑顔をつくって。

「うふふっこのスカッシュちゃんにお任せよ!! これ、前から可愛いと思ってたのよねー」
「それはよかった、それじゃあね。おやすみ」
「うん、おやすみー!」

静かに部屋を出るDを笑顔で見送って、しばらくそのままで。
それから、ベッドに身を投げてまた指輪を眺める。

「――何が、起きてるの?」

ころんと仰向けになって、手を突き上げてそのまま指輪から目を離さない。
答えが返ってくることは無いけれど、覚悟の誓いを捧ぐ。


左手の薬指に輝く、ノードゥスの指輪に。
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