英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。
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風が吹いた。
「――紫苑、何が見えたの?」
答えはない。
「……なんで、ずっと寝ているんだ」
紫の運命竜の仕事は眠り、未来を見ることだと分かってはいるけれど。
少し前までとても楽しそうにしていた茶会の誘いが無くなった。
「――……」
君の、悪い癖だ。
望まない夢を見て、次は違う未来が見えるのではと渇望し眠る。
一体、何を見たんだ。
話してくれさえすれば、その未来を少し逸らすことくらいならできるのに。
この世界の出来事ならばともかく、あっちならば。
竜のキャンバスの名を冠すあの世界ならば、君の思う未来が描けるだろうに。
「起きて」
いつまでも、悪夢に囚われていないで。
「紫の竜は、いつまでそうしているつもり?」
運命は流転するのだと、君が教えてくれた。
「ボクが、変えてみせるから」
竜が望む世界へ導くことこそ我が存在意義。
だから、
「教えて」
紫の女の子が、目の前に立つ。
その子が紫苑であり紫苑でないことは分かっている。
「―――、D、―――」
泣きじゃくる中で聞き取れたのは、自分の名だけ。
ああ、まったく彼女と来たら。
「……分かりません、我が主よ。ご指示は、明確にお願いいたしたい」
ふるふると、首を振って消えてしまった。
風が紫を運んでいった。
「……ねぇ、本当に。本当に何が見えたの?」
彼女がああも頑なに未来を口にしようとしないのを見るのは、初めてだった。
いつもはそう、嫌な夢を見たと詳細を語ってくれるのに。
……何が起こっても良いように、用意だけはしておこうか。
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女性
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1994/05/10
