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英雄クロニクル/サクセス鯖 女神の誓(1uxv)の主にSS置き場。

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【視点:D】

守りたくとも、それは出来ない。
ボクが守れるのはマスターの言葉だけ。

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呪いの香りがした。
けれどそれは王のそれとも、卷属のそれとも違う。
むしろ、これはそう。
長女神の愛娘達が使ったという封印術に酷く似ている。

「……」
「どうした?」
「ううん、何でもないよ」

でも、何故?
どこからこの呪いが掛けられたのだろう。
何故、長女神に連なる彼を蝕んでいるのだろう。

――訳が、わからない。

ただひたすらにもどかしい。
彼に手を差し伸べられないという制約が。
確かに彼はボクの思う彼ではない。

でも、それでも。
助けられるものなら助けたかった。

けれど、人でなく神であるがゆえに助けを乞われなければ何もできない。
せめて。せめて、マスターが気が付いて助力を求めてくれれば。
それか、王が派手に手出しをしてくれれば。
紫苑が一言命を下してくれれば。

――大義名分が無ければ、力を振るうことは許されない。
それはどの神々も同じ。
女神達は竜の望む世界を創り出すために。
冥王は廻り苦しむ魂に救いをもたらすために。
ボクは、運命竜が望む未来に導くために。
神格を与えられた、その理由にボク達は縛られ続ける。

……それを除いても、そもそもボクはここにいるべき存在ではない。
マスターと交わした契約は既に達成された。
本来ならもう、こうして近くにいてはいけない。

あまり派手に動けば、きっとこの世界の主たる存在に弾き飛ばされてしまうだろう。
黄金に招かれていないボクは、シナリオを書き換えてしまう邪魔な存在であろうから。
……何を取っても、手を出せる状況ではない。

「ねぇ、ケイル」
「うん?」
「――独りで悩んじゃダメだからね」

一瞬きょとんとして、笑い出す彼に心が痛む。
彼は上手すぎる。本心を、不安を隠すことが。
マスターと違って殺すのではない、隠してしまう。


ごめん。

いつだって、ボクは。


―― 守られてばかりで、一度だって君(ケイル)を守れたことはない。
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